「リハビリママ&パパの会」の

                         発展と活躍を願って

   

        公益社団法人 日本理学療法士協会

                                                                    副会長 小川かつみ

  

  「PTママの会」…、ありそうで実はなかったこの会の名称を私が初めて

 耳にしたのは2008年(平成20年)の9月であったか、鹿児島で開かれたある

 研修会に招かれて出向いた懇親会の席上でした。

 子育て真っ最中の理学療法士の方から、「私たち、こんな活動をしてるんですよ」

 といきなり強烈な(?)アピールを受けたときです。

 アピールをしたのはもちろん河合さん。いまも変わらず元気に会の活動を牽引し、

 会の知名度を着々と上げています。

 当時、半田会長と女性会員固有の課題に対応する部署を協会組織の中に位置づける

 必要について議論を始めていたときでもあり、それ以降、私は極めて興味深く

 この会の活動を見守ることになりました。

 

 奈良元会長のメッセージにあるように、本会における女性会員の数は4割台を

 維持しています。全女性会員の平均年齢が32歳前後というまさに子育て世代に

 相当すること、また、休会から退会へと結びつく大きな理由として出産・育児

 が挙げられるという事実、さらに一旦職場から離れてからの原職復帰困難度の

 高さとも相まって、本会における深刻な課題となっています。

 一方で、本会が女性理学療法士の会と合同で実施したアンケート調査により、

 流産の危機に瀕した方の割合が他の職種に比べて高いことが示され、育休や産休

 などの社会的制度の一層の充実もさることながら、理学療法士特有の職場環境に

 対する組織的働きかけが必要であることが明らかとなりました。

 やや取り組みが遅くなりましたが、平成27年度において女性会員対策特別委員会が

 設置され、それらの諸問題にいかに協会として、組織として対応していくのかに

 ついて具体的提案を答申していただくことになりました。

 大きな期待を寄せつつ答申を待ちたいと思います。

 

 さて、この春先に河合さんにお会いしたときに、会の名称が変わることを

 聞きました。意外に語呂の良いこの「PTママの会」がどんな名称に変わるのか、

 多少興味本位で楽しみにしていたところ「リハビリママ&パパの会:リハMAP」に

 なったことを次にお会いしたときに聞きました。

 MAP、なるほどね~、考えたな~というのが第一印象。

 良いネーミングだと思います。仲間内の活動に留まらず、大きな視野の下で

 社会的な動きに結びつけて頂くことをも密かに期待して、今後の皆様のご活躍と

 会の発展をこころからお祈りします。

 

 

 

 

「堂々と働いてください」 

〜75歳現役PTママからリハMAPにメッセージ〜

 

           理学療法士 田口順子


 

          

 
  主婦として家事に追われ、母親として子育てに追われ、理学療法士という
  専門職として社会最前線に立って一人三役を見事にやってのけている皆さまに
  頭が下がります。
 
  名古屋で行われた学会の教育専門部会ではリカレント教育のあり方が中心と
  なりましたが、出産で休職中のママ候補や現役の育児ママは、ママという
  未来学をひとり占めで学習するチャンスを与えられているではありませんか。
 
  仕事の現場から離れ、専門職として立ち遅れている等という劣等感を感じる
  必要はさらさらにありません。
  妊娠、出産、育児での長期休暇で配置転換したり、転職したりそれはそれで
  長い人生全てがキャリアに繋がっていくことを、私自身も体験してきました。
 
  すべてをよい体験研修として受け止めて、決して負い目を感じることは全く
  ありません。

  ひとり三役をこなしているあなた、堂々と働いてください。
  気負うことなく、負い目を感じず、常に微笑みをもって、、
  これまでの「リハビリママ&パパの会」の活動に感服しています。
 
  フレー、フレー!リハビリママ&パパ!!
                      
                         オールドママ 田口順子
 
     




PTママの会」を励ますメッセージ

         

神戸学院大学総合リハビリテーション学部教授

            元日本理学療法士協会会長

                    奈良 勲

 



 

  現在、社団法人日本理学療法士協会会員の平均年齢は約33歳である。

  その男女比率をみると、女性45%、男性55%となっているが、30歳未満では

  女性の比率はゆるやかとはいえ、高くなっている。

  この比率が今後どのように推移するのか不明であるが、女性が占める比率が 

  高まりつつあることは明確である。

  これはまさに女性理学療法士も保健・医療・福祉のフィールドでそれぞれ

  活躍されていることの証であり、日本の理学療法界の発展にとってきわめて 

  重要なパワーとなり頼もしいことである。

 

  通常、人間が成長し、結婚すれば子供が誕生する。結婚しても仕事・主婦・

  育児に専念する女性理学療法士も他の職種と同様増えていると聞く。

  しかし、仕事と育児を両立させるには、夫婦の協同作業が格段と求められる。

  とくに、幼児期には親と同居していない場合、託児所などの確保や経費などの

  課題があり大きな負担となる。

 

  最近、上記した課題に対応すべく埼玉を中心に「PTママの会」が発足したと

  のことである。

  今後はこの会が全国ネットワークとして拡大し、育児をしながら専門職としての

  スキルアップなど必要な情報交換がなされることを期待したい。

  少子社会という視点から考えても、子供は次世代の貴重な担い手となることは

  いうまでもないことである。

  とくに、知的で優しい女性理学療法士が多い日本理学療法士協会として、

  逞しい子供を出産され、日本社会に寄与されるとすれば、この上もない喜びである。

 

                                                                   「PTママの会」の発展を祈念して